2023/07/03
家づくりのポイント
階段の配置で後悔しないために間取り例からパターンを考察
こんにちは。浜松市の工務店、ほっと住まいるの栗田です。
家づくりの中で間取りの打ち合わせをしていると、お客様から『階段はリビング階段にしたい』という意見を聞いたりすることがあったり、或いは反対に、こちらから『階段はリビング階段の方がイイですか?』とご要望を伺ったりすることがあります。
階段はパブリックスペースとプライベート空間を繋ぐ要素となり得るだけに、その配置も重要になってきます。
リビングを中心として階段の位置を考えたときに、階段配置は大きく3パターンに分かれます。
①プランA・・・リビングを通らずに2階に行ける配置
②プランB・・・リビングの中に階段がある配置
③プランC・・・リビングは通るが、一度廊下に出て2階に行く配置
この各パターンにおける弊社の施工実績は下のグラフの通りです。(2023年7月現在)
リビングを通らないプランAが最も多い結果となっていますが、一度リビングを通るという意味でプランCも大きくリビング階段に含めると、リビング階段とそうでない階段の割合は概ね半分半分となります。
各パターンの階段配置にどんなメリット、デメリットがあるのか、ここからはプラン別に考察します。
プランA
リビングを通らずに直接2階へと行けるプランAの最大のメリットはプライベート性が高いこと。
お子さんが友達を連れてきて2階の部屋で遊ぶときなんかもリビングに入ってこられることはないので、LDKをご家族の寛ぎの空間とすることが出来ます。
また、空調の効率をより上げられるのもこの間取りの特徴です。
その反面、心配なのはプライベート性の高さ故に、お子さんがいつ帰ってきたのかもわからずに部屋に籠りっ放しになりやしないかという点です。
でも、この点は帰ってきたら一度はリビングに顔を出させるような習慣付けをしてあげればそれほど心配ではないのかもしれません。
我が家もこのプランAのパターンの間取りなのですが、帰宅したらリビングを覗くようにしていて、逆にリビングを覗かないとなんとなく落ち着かない癖が付いてしまっているので、その辺は習慣次第だと思います。
プランB
プランBのリビング階段はプランAとは全く逆の発想で、2階に行くのに必ずリビングを通る必要があるので、お子さんと顔を合わせる機会は格段に増えます。
リビング階段を希望するお客様の多くは、やはりこの点を重視しているようですね。
階段の位置にもよりますが、リビング階段のプランはアイアン手摺りなどでインテリア性を高めてオシャレに見せることが出来るのも嬉しいポイントです。
さて、ここからはリビング階段のデメリットとなりますが、2階に行くときにお子さんが常に顔を合わせるということは、友達を連れてきたときも顔を合わせてしまうということです。
リビングで寛ぐときは、だらしない恰好で過ごしたいこともあるでしょう。
ノーメイクでソファに寝っ転がっているようなときに急遽リビングのドアが開いてお子さんが友達と一緒に入ってきたら・・・。
特に年頃のお子さんをお持ちの場合は考えどころかもしれませんね。
あと懸念されるのは空調の効きです。
階段を介して2階までひとつの空間で繋がっているわけですから、プランAと比較すればエアコンの効率はどうしたって落ちます。
ただ、この点はシーリングファンを設けたりすることで対策となりますし、それ以前に今の高断熱高気密の家ではリビング階段が原因で寒く感じたり暑く感じたりすることは少ないと思うので、それほど心配はないのかと思います。
プランC
間取りの考え方自体はプランBと似通っていて、お子さんと顔を合わせるメリット、顔を合わせなければならないデメリットはそれほど変わりません。
しかし、階段はリビングの外にあり、2階の空間とリビングが繋がっているわけではないのでプランBで心配されていた空調効率の懸念材料は無くすことが出来ます。
同じリビング階段でもプランBに比べてプランCの方が施工件数が多いのはこの辺りが関係しているのかもしれません。
ただ、プランCは階段へと続く廊下の動線を必要としますので、上手く間取りをつくらないと坪数が大きくなってしまうのが難点と言えます。
パターン別に階段配置によるメリット・デメリットを検証してみましたが、いかがでしょうか!?
間取りの検討の際には是非役立てていただければと思います。