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こんにちは。浜松市の工務店、ほっと住まいる㈱の栗田です。

床材には、無垢床材とフローリングの2種類の材があることはご存じでしょうか!?
タイル張りの床やクッションフロアなども合わせると2種類どころではなくなりますが、とりあえずここは木目の床ということで話を進めます。

家づくり初期段階のお客様の中には『床は無垢にしたい』としつつもその理由は漠然としたもので、どういうものが無垢床材なのかいまいち理解されていない方も割と多くいらっしゃるので、その辺をちょっと解説したいと思います。


無垢床材とフローリング



上の写真は、工事現場で無垢床材とフローリング材を並べてみた様子。
左側がタモの無垢床材で、右側は朝日ウッドテックの突板フローリングとなっています。

床の色、板の幅なんかに違いが見受けられますが、どっちが無垢床材でどっちがフローリングなのかはパッと見ただけでは判断がつきません。
それもそのはず・・・突板フローリングというのは表面に1mmにも満たないながらも本物の木が張られているので、表面上は無垢床材と変わらないのです。

表面上からの判別が困難であれば、別角度から判別する方法があるわけで・・・・・・


・・・それはこんな風に床材の断面を見てみるとその違いに気付きます。
表面に極薄の木を張りながら残りの厚みがベニヤで構成されているフローリングに対し、無垢床材は1枚の木の板となっています。

見た目が同じようでも中身がベニヤのフローリングでは調湿効果は期待できませんが、無垢床材はそれが可能で、サラッとした気持ちの良い肌触りが多くの方に好まれています。

調湿効果、肌触り、あと単純に高級感・・・この辺りを無垢床材のメリットとして思い付く方は多いでしょう。
でもそれだけじゃなくて、疵が付いちゃったときの補修方法という面でも無垢床材って優秀なんですよ。

現場に出向いた際にちょうど床材の切れっ端が有ったので、床に疵が付いちゃったときの補修方法の違いをご紹介したいと思います。



どんなに気を付けていても・・・



病気ひとつしない人、怪我ひとつしない人がいないように、どんなに気を付けていてもそこに人が住んでいる以上は必ず疵のひとつやふたつは付きます。

お引渡しをしたお客様からよく聞く話としては、お子さんがミニカーで遊んでいて床の表面が削れちゃったりだとか、或いは重い物を落とした時に床がへこんじゃったりだとか・・・そんな例が多いような気がします。

細かい疵が付くのは仕方がない・・・付いた疵も味のひとつ・・・と捉えてしまえば、敢えて直す必要もありませんが、あまりに目立ってしまい、味というよりは欠陥に見えてしまうようなものであれば、そこはやはり補修を施したいものです。

そんな悪目立ちする床の疵の再現に、車の鍵でガリッと大胆に床材を引っ搔いて疵を付けてみました。
(我ながらなかなか大きな疵を付けたものですが、これは切れっ端にやったもので、張った床にはやっていませんからご安心を。)


フローリングの『埋める補修』



フローリングはそのほとんどがベニヤで構成され、表面のみ化粧が施されているので、正面に疵が付くと中身の合板部分が見えてきてしまいます。

なので、ペンやクレヨンで疵を『埋める』補修方法が用いられます。
補修用のペンやクレヨンはホームセンターでも販売されており、それらを購入すればお施主様自身でも簡単に疵を隠すことが出来ます。

ただ・・・・・・

フローリングの木目は単純な茶色というわけではないので、木目を完璧に再現して補修しようとすればプロ級の腕が求められます。
この補修の際の色合わせの難しさが埋める補修方法における難点といえるでしょうね。


無垢床材の『削る補修』



一方の無垢床材はというと、疵付いた部分を目の細かいサンドペーパーで削って補修をします。

合板が組み込まれているフローリングと違って、15mm厚の上から下まで一枚の板なので、削れど削れど中からはキレイな木目が出てくるのみです。
なので、絶妙な色合わせの技術がなくとも、誰が手直ししても元通りのきれいな床に戻すことが出来ます。

削ったら床板が薄くなっちゃうんじゃないの!?って心配も当然あろうかと思いますが、無垢の床板は前述の通り15mmの厚みがありますので、表面の傷を削った程度では強度に何ら心配はありません。

削った後は上の写真の『未晒し蜜ロウワックス』のようなオイルで仕上げてあげれば、どこに疵が付いていたか判らなくなっちゃいます。








比べてみると、フローリングの疵もそれなりに目立たなくなりますが、無垢床材はそれ以上にキレイに元通りになります。

家はお引渡しした時点がゴールなら良いのですが、入居するお施主様にとっては、むしろそこはスタートラインです。
何も手を加えずともいつまでもキレイな状態が保てればそれに越したことはないものの、実際にはそうするためには少なからずお手入れが必要となります。

仕様決め、素材選びは金額や見た目に注視しがちですが、そこにもうひとつ、メンテナンス性という観点も判断基準に入れてみては如何でしょうか!?



この記事の作成者

工務アシスタント 栗田 和

宅地建物取引士
お客様に楽しく快適な住まいを維持してもらえるよう、フォローやメンテナンスなどお手伝いをさせていただきます!

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