2023/07/17
家づくりのポイント
バルコニーは必要か!?
こんにちは。浜松市の工務店、ほっと住まいるの栗田です。
最近、間取りをCAD入力していると、バルコニーを無くしている家がチラホラと目に付くような気がします。
ちょっと前まではそんなこともなく、2階建ての家のほとんどは、必ずと言っていいほどバルコニーがセットでしたが、そういう常識も過去のものになってきているようです。
便利だと思って付けていたバルコニー・・・それが減ってきているのにはどのような要因があるのでしょうか!?
バルコニーが付けられないケース
バルコニーが無いお家が増えてきた要因として、そもそもの間取り構成においてバルコニーが付けられないケースが増えてきました。
その代表格は平屋のお家です。
まぁ、これは誰しもが想像できることかと思いますが、平屋と共にもうひとつ増えてきてい外観デザイン、上の写真のような大屋根のお家もまた、バルコニーが無いケースが多いです。
1階の屋根と2階の屋根が繋がった大屋根のお家・・・屋根方向が南北の場合、東面や西面に付ける場合は別として、本来付けたい南面には、やはりバルコニーは付けられません。
バルコニーを不要とする考えの浸潤
上記の場合と異なり、バルコニーを付ける余地があるものの、敢えて無くしたいという考えを持ったお客様もまた増えてきていて、その理由としては以下のような点が挙げれらます。
①コストが掛かる
バルコニーを施工すれば、そこには当然費用が掛かります。
このところの物価高で建築費が高騰している今、コストダウンの候補として優先順位が高いのかもしれません。
②メンテナンス費用が掛かる
バルコニーの床はFRP防水で処理されることが多く、10年間の保証期間が付けられています。
10年経ったから直ちに・・・というものでもありませんが、FRP防水も決して恒久的なものではないので、いずれはメンテナンスを必要とする時がやってくるものと思われます。
弊社でも定期点検を行っていて、実際に10年点検に伺ったときに直ちに防水処理をしなければならないというお家は今のところありませんが、補修の必要が認められた場合、それを放っておくと雨漏りに直結してしまうので、それが怖いところでもあります。
④苔が生えて汚れる
バルコニーの床や壁って、掃除をしなければ結構酷いことになります。
掃除をするのに2階に水道が無いと、1階からバケツで水を汲んでくる破目になり、かなり苦労することとなります。
⑤家事動線の変化
共働きの方に多い傾向として、今までは洗濯物をバルコニーで干すという流れがありました。
アパート暮らしで同フロアにバルコニーがあったときはそれで良かったのかもしれませんが、洗濯機が1階、物干しが2階というのはかえって不便で、そういった動線よりも1階のどこかに物干しスペースを設ける方が増えてきました。
⑥使用する機会が少ない
物干しを1階で済ませた場合、バルコニーの使用方法として考えられるのは布団干しです。
布団干しという一点の為だけにバルコニーが存在するのであれば、コストパフォーマンスとしては非常に悪いと言わざるを得ません。
そういった方は、最近ではむしろバルコニーよりも布団干しバーを設置するケースの方が多いですね。
バルコニーの有効活用
一方で明確な使用目的があれば、バルコニーもただなんとなく付けたのではない、自慢のスペースとなります。
以前に施工したコチラのM様邸は約7帖の広々バルコニーを有しています。
ロケーション的に遠州袋井の花火が特等席でバッチリ見られる立地で、花火大会の当日にはこのバルコニーをフル活用してもらう予定です。
ちょうど竣工したタイミングで世の中がコロナとなり、それがなかなか実現できませんでしたが、今年はようやく願いが叶いそうです。
外観のアクセントとして
また、バルコニーの手摺りの中にはスリット状のものや木目調のものなど、外観を引き締めるアクセントとなるものもあります。
そういうものを採り入れながら、オシャレを演出するのも考え方のひとつだと思いますよ。