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こんにちは。浜松市の工務店、ほっと住まいるの栗田です。

十年一昔という言葉が示すように、10年もの時間があればその当時に最新だったものは最早過去のものとなります。
そして、そこにしがみついていてはどうしてもお客様に満足してもらえるような提案が出来ないのがこの業界です。

ファッションやスイーツなんかはそれが顕著なんでしょうけど、住宅にも少なからず流行りというものがあって、10年と言わず数年前と比較してもニーズが変化しているのを感じ取れます。

ここ数年でガラッと変わってきたそんなポイントをいくつか紹介したいと思います。


バルコニーの無い家が急増



白か黒かは置いておいて、どちらも似た感じの四角いお家です。
左側の黒い家が最近建てたものになりますが、表題の通り、このお家にはバルコニーがありません。

数年前はバルコニーは『有って当然のもの』という風潮があり、そこに疑問を感じることはありませんでしたし、わざわざバルコニーの無い家を提案することもありませんでした。

しかし、昨今の物価高騰が本当に必要なものとそうでないものを考えるきっかけになったんでしょうね。
その必要のないものの候補として多くのお客様がバルコニーを挙げているようです。

バルコニーの使い道としてパッと浮ぶのは布団干しとか洗濯物干しです。
でも、どうでしょう・・・それ以外の使い道って思い付いたりしますかね!?
他にこれといった使い道が思い浮かばない場合、それだけのために何十万円というお金を掛けてバルコニーを設けるなんてもったいないので、最近では無しにするケースが増えてきました。

しかも、設けておいてそのままというわけにはいかないのがバルコニーです。
バルコニー床のFRP防水は十数年後にはお手入れが必要になってくることがあります。
それを放っておくと雨漏りにもつながりますから、メンテンナンス費も込みで考えると、かえって負担になってしまうこともあるのです。

でも、バルコニーを設けるのが悪いと言っているわけじゃありませんよ。



オシャレな手摺りを組み込めば外観上のアクセントになりますし、水道を用意しておけば日々のお掃除で困ることもありません。

ちなみに・・・こちらの大きなバルコニーを設けたお施主様は、花火大会を楽しむのに大活躍だったそうです。
(もっとも、その目的でこんなにも広いバルコニーを設けたのですが・・・。)


余分なものを削ぎ落としたお風呂



続いて紹介するのはユニットバス。
かなりピンポイントになりますが、お風呂もニーズが変化してきたもののひとつです。

お風呂で最近感じるのは『余分なものは極力設けない』という傾向です。
比較してみると、右側の写真のお風呂には『鏡』、風呂桶を置く『カウンター』、シャンプーなどの『収納棚』、そして『窓』がありません。

金額面で安くなるというメリットもあるにはありますが、清掃面という観点からそれらを排しているようですね。

鏡の水垢、カウンターの裏や収納棚の固定金具付近のカビと滑り・・・鏡などの付属品がそもそもの発生の温床になるのであれば、最初から付けないようにするのが最近のお客様の考え方のようです。


オシャレの演出方法が変化したトイレ



オシャレなトイレの演出に柄物のクロスを使用することが多かった以前と比較し、最近はグレー系のクロスが主流です。
その雰囲気に合わせるように、埋込収納も木目調のナチュラルなものからホワイトなシンプルなものへと変わっていき、照明器具も部屋の中心を外した片隅にペンダント照明というパターンが増えてきましたね。

あと、お風呂のところでも紹介しましたが、トイレに関しても窓を設けないお家が主流となってきました。

二十数年前から住宅に携わっている者としては最近の変化の中ではこれが一番衝撃的でした。
バルコニーの無い家は以前にも稀に有りましたが、お風呂やトイレに窓のない家など有りませんでしたからね。

昔からの考えだと換気や昼間の明かり採りに窓は必須と思うのですが、最近の若い方にとってはそうでもないようです。
考えてみれば、アパートのお風呂やトイレって窓が無いものが多いでしょうから、そういうことに抵抗が無いのかもしれませんね。


造作の洗面化粧台



予算を抑えるためにバルコニーや和室を無くした間取りが増えてきた中、洗面室と脱衣室を分けた間取りというのも最近の傾向として増えてきました。

洗面化粧台と洗濯機が同じ空間の中に位置している間取りにおいては、洗面化粧台を使用するのは家族のみという想定になりますが、脱衣室と分離した空間に洗面化粧台が配置されていれば、お友達とかの家族以外の人がトイレの後に使用することも考えられます。

そうなったときにオシャレに見えるのは造作の洗面化粧台です。

造作の方法としては左の写真のように設備メーカーのキャビネット部を使用しつつ、鏡やサイドのカウンター、背面タイルなどを造作で組み合わせていく、いわば半造作の方法と、右の写真のようにカウンターからフルで造作にする方法があります。

カウンターの一体感という面ではフル造作の方が美しく仕上がりますが、下部収納という面では半造作のほうが優秀です。
金額面ではフル造作の方がコストが掛かるものの、最近の施工数では若干ですが半造作を上回っている気がします。


扉の無い収納



要らないものは極力減らす・・・その考えのもとにクローゼットの扉を設けないお家も増えてきました。

リビングに設けた収納とかで来客に見られる可能性のあるところは別として、子供室の収納なんかはそういう心配も無いので建具は必要ないのかもしれません。
建具のある場合の収納は湿気が籠りやすくもあるので桐や杉を用いて壁を仕上げますが、建具が無ければアクセントクロスで遊び心も出せるし、お子さんにとってはそれが嬉しいポイントになるんじゃないでしょうか。

あと、寝室のウォークインクローゼットなんかも建具を付けず、三角やアーチの垂れ壁とする家がほとんどです。










この記事の作成者

工務アシスタント 栗田 和

宅地建物取引士
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