2024/04/05
お家施工レポート
モンキーポッドの一枚板をダイニングテーブルに加工しました
こんにちは。浜松市の工務店、ほっと住まいる㈱の栗田です。
ほっと住まいるでは新築のお祝いに無垢板のダイニングテーブルをプレゼントしています。
せっかくオシャレなお家を建てたのであれば、家具もオシャレなものを使ってもらいたい・・・というのが、その理由です。
家具といっても、ソファからベッドから学習机など、いろんなものがありますが、その中で自然素材の家をコンセプトとしているほっと住まいるらしさが出せるものは何かと考えたときに、行き着いたひとつの答えが無垢板のダイニングテーブルです。
西南桜やカバザクラ、アカシアにタモといった色んな種類の無垢床材があるように、一枚板にもいろんな樹種があるのですが、今回は『モンキーポッド』の一枚板を用意することが出来ました。
今回は・・・と前置きしたのは、一枚板は唯一無二のもので同じものが一つとして存在しないからです。
一枚板を使用するとき、長さはOKだけど幅が足りない、幅は十分だけど長さが足りない、サイズは申し分ないけど他の樹種にしたい・・・なんてことは往々にしてあります。
使いたいタイミングで条件に合致する板が必ずしもあるとは限らない・・・という点が難点といえば難点なのですが、N様邸にピッタリのモンキーポッドが入手出来たので、これを加工していくことにしました。
納品されたモンキーポッドの一枚板
これが納品された状態のモンキーポッドの一枚板です。
こうした一枚板は、納品されたままの状態ではテーブルの天板としては使えません。
写真からは判別できませんが、表面はザラザラだし、角は尖っているし、手をズリッと滑らせればトゲだって刺さります。
ですので、テーブル用に滑らかに加工しなければならず、それはいつも私の仕事となっています。
作業①:表面の糊を削る
一枚板の中には割れ防止の目的等で表面にボンド、糊がベッタリと塗られているものがあります。
今回のモンキーポッドもそうなっており、加工するに当たって、まずこの糊を削り取らなければなりませんでした。
そこで、電気カンナの登場です。
宮大工と違い、今の大工さんは様々な電動工具を持っています。
この電気カンナもそのひとつで、表面をザーッと一気に削り取ることが出来ます。
ただ、その作業を行った際にですね・・・木目に逆らったところはザラザラになり、電気カンナの通った箇所は微妙な段差の筋が出来てしまいます。
作業②:板面の荒れ、段差を無くす
先程の電気カンナが通ったことで出来てしまった板材表面の荒れ、段差をベルトサンダーを使って平らにします。
ベルトサンダーは帯状のやすりを高速回転させて材料を研磨する電動工具です。
研磨作業にはいつも電動サンダーを用いますが、ベルトサンダーはパワーが段ちです。
電気カンナがつくった荒れや段差を平らにするのに電動サンダーではかなり手間が掛かるので、ここはベルトサンダーのパワーに頼ります。
・・・どうでしょうか!?
表面の荒れや段差など、何処にあったかわからないレベルになりましたよね。
作業③:仕上げの研磨
ここでようやく、いつも使用している電動サンダーが使えます。
ベルトサンダーに比べるとパワーは無いものの、その分、繊細な作業が出来ます。
角の部分なんかはベルトサンダーでは削り過ぎてしまいますが、電動サンダーを使えばその辺を調整させながら丸みを帯びた滑らかな仕上がりにすることが出来ます。
ちなみに、この場面のサンドペーパーは『240』を使用しています。
作業④:ワックス掛け
ひと通りの研磨作業が完了したら、天板の加工は最終段階・・・『未ざらし蜜ロウワックス』で表面を塗装します。
一枚板の樹種にもよりますが、モンキーポッドは随分と深みが増しますよ。
今では写真を加工したりとかも出来ちゃうので、その疑いが無いように半分だけワックス掛けをした写真を一枚・・・。
ワックス掛けをする前とした後とでは結構な違いがありますよね!?
その後、全面に塗装を施した様子がコチラの写真です。
蜜ロウワックスは色に深みを出すことだけを目的に塗るわけではありません。
もうひとつの意味合いとしては撥水効果を持たせるために塗っています。
皆さんの中にも木のテーブルに冷えたコップで輪染みを作ってしまった経験のある方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか!?
そういった染みはなかなか味わいとしては捉えにくいでしょうから、それを防ぐためにもワックス掛けは有効な手段と言えます。
蜜ロウワックスを塗った直後は掌もこんな感じで水を弾いています。
ただ、この撥水効果も永続的なものかと言われればそんなこともなく、定期的にワックス掛けを行うことが美しさを持続させるコツとなります。
今回のモンキーポッドのテーブルは作業を始めてから仕上がりまで4時間以上掛かりました。
家具職人さんのような仕上がりというわけにもいかず、DIY的な要素もありますが、それでも手間暇かけて仕上げました。
お手入れをしながら長く大事に使ってもらえればと思います。